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法人税

財務省ホームページで「パンフレット「平成27年度税制改正」が公表されました。その主な内容(主な目次)は、次のとおりです。

(1) 法人課税

  ○成長志向に重点を置いた法人税改革

  1)法人税率の引下げ

  2)課税ベースの拡大等

  3)賃上げへの配慮措置

 ○地方拠点強化税制の創設

 ○復興支援

(2) 資産課税

  1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充

  2)結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

(3) 個人所得課税

  1)NISAの拡充

  2)住宅ローン控除等の延長

  3)国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例の創設

(4) 消費課税

  1)消費税率10%への引上げ時期の変更等

  2)外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充

  3)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し

  4)たばこ税の見直し

  5)車体課税の見直し

(5) 国際課税

  1)外国子会社配当益金不算入制度の見直し

  2)非居住者に係る金融口座情報の報告制度の整備

  3)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し(再掲)

  4)国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例の創設(再掲)

(6) 納税環境整備

  1)国外居住親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化

  2)財産債務明細書の見直し 

詳しくは、財務省HPをご確認ください。

合併、会社分割、現物出資、事後設立、株式交換及び株式移転などの組織再編行為を行った場合には、税務上、原則として資産及び負債を他の法人に時価で移転(譲渡)したものとして、移転資産負債の譲渡損益を認識することとなります。ただし、当該組織再編が一定の要件を満たした適格組織再編に該当する場合には、移転資産負債は税務上の帳簿価額で移転したものとみなし、譲渡損益の認識を繰り延べることとなります。

法人税法は、一定の要件を満たす欠損金について、制限を設けた上で、数事業年度に渡って通算ができるように、次の繰越しおよび繰戻しに関する措置を講じています。

1. 欠損金の繰越しに関する制度

(1)青色欠損金の繰越し
各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度で青色申告である確定申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額がある場合には、各事業年度の所得の金額から控除することができます。なお、この場合、欠損金の生じた事業年度からその欠損金額を所得金額から控除する事業年度まで連続して確定申告書を提出することが求められています。

(2)災害損失欠損金の繰越し
各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において発生した災害により生じた一定の損失の額に相当する金額について、青色申告書を提出しなかった事業年度の欠損金であっても、一定の条件のもと、各事業年度の所得の金額から控除できます。ここでいう災害により生じた損失とは、棚卸資産、固定資産および一定の繰延資産について生じた損失に限られており、災害の発生した事業年度に損失額を損金経理することが、繰越しの要件として求められています。

(3)会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入
会社更生法等の規定による更生手続開始の決定があった場合、あるいは、民事再生法の規定による再生手続開始の決定等があった場合において、債務免除を受けたなど一定のケースに該当する事実が生じたときは、その事業年度前の各事業年度において生じた一定の欠損金額のうち、当該債務免除等による利益の合計額に達するまでの金額につき、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができます。この場合、上述の青色欠損金および災害損失欠損金の規定上、「期限切れ」となってしまった欠損金額を、債務免除等に基づく利益金額を上限として、これらの欠損金額の額に優先して損金の額に算入することができます。

なお、2010年度税制改正により、法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるときは、その清算中に終了する事業年度前の各事業年度において、生じた「期限切れ」の欠損金につき、青色欠損金等の控除後の所得の金額を限度として、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することとされました。

2. 欠損金の繰戻しに関する制度
欠損金が生じた事業年度(「欠損事業年度」)の開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(「還付所得事業年度))の所得に対する法人税額に、還付所得事業年度の所得金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額の割合を乗じて計算された金額につき、還付を請求することが認められています。

ただし、この欠損金の繰戻しによる還付制度は、2012年3月31日までに終了する各事業年度において生じた欠損金については、次のケースを除いて、その適用が停止されています。

(1)一定の中小企業者等に該当する場合
(2)解散等、一定の事実が生じた場合

連結納税制度とは、企業グループの一体的経営に着目し、企業グループ内の個々の法人の損益などを集約することにより、あたかも企業グループを一つの法人として課税する制度をいいます。

日本の連結納税制度は、親法人である内国法人とその内国法人による完全支配関係がある他の内国法人(子法人)のすべてを一つのグループとして、親法人がその連結グループ全体の所得(連結所得)を一つの申告書(連結確定申告書)に記載して法人税の申告・納付を行なうことができる制度です。ここで完全支配関係とは、親法人が子法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有する関係をいいます。

連結納税制度の適用は法人の任意となっており、連結納税の適用を受けようとする場合には、原則として最初にその適用を受けようとする事業年度開始の日の3カ月前の日までに、所定の承認申請書を親法人の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出する必要があります。いったん連結納税を選択した場合は、原則として次年度以降継続して適用されることになります。

連結所得の計算は原則として、単体納税を計算する場合の方法に基づいて行なうことになりますが、受取配当金の益金不算入や寄附金の損金不算入等に関して一定の調整がなされます。これらの結果算出される(調整後)連結所得に法人税率を乗じ、さらに外国税額控除等の一定の税額控除が調整され、連結税額が算出されます。

法人税の申告納付の手続きは連結親法人が一括して行います。申告書の提出期限は、各連結事業年度終了の日の翌日から2カ月以内ですが、所定の申請を行なうことにより申告書の提出期限を2カ月延長することが可能です。また各連結子法人は、個別帰属額等を記載した書類を所轄税務署に提出することになります。

なお、2010年度税制改正においてグループ法人税制が導入されたことに伴い、連結法人間の損益調整にかかる制度は、完全支配関係のある法人間取引における譲渡損益の繰延べ制度に組み込まれました。また、同じく2010年税制改正により、連結子法人の単体欠損金の連結所得計算への持込み制限が緩和され、連結納税開始または連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子会社の単体欠損金が、その子法人の個別所得金額を限度として、連結所得計算上控除することが認められるようになりました。

なお、地方税については単体法人が納税単位となります(連結納税制度の適用はありません)。

グループ法人税制とは、100%の資本関係にある内国法人間で行なわれる一定の資産譲渡、寄附、配当、株式の発行法人への譲渡等につき、税務上は損益を認識しない制度をいい、2010年度税制改正において導入されました。

グループ法人税制は、100%の資本関係により強固に結ばれた企業グループを経済的に一体性のあるものとして課税関係を規律しようとする仕組みであり、2010年度税制改正前の連結納税制度を発展するかたちで制度化されました。
なお、グループ法人税制は、連結納税制度のように適用が法人の任意の選択ではなく、要件が満たされる法人全てに強制適用されます。

本グループ法人税制は、具体的には以下のような個々の制度に反映されています。
(1)100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転を行なったことにより生ずる譲渡損益を繰り延べて、譲受法人においてその資産の譲渡等の事由が生じたときに、その譲渡法人において計上する。
(2)100%グループ内の内国法人間の寄附金について、支出法人において全額損金不算入とし、受領法人において全額益金不算入とする。
(3)100%グループ内の内国法人間の現物配当(みなし配当を含む)について、当該現物分配の、現物分配法人の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとする。
(4)100%グループ内の内国法人からの受取配当について益金不算入制度を適用する場合には、負債利子控除を適用しない。
(5)100%グループ内の内国法人の株式を発行法人に対して譲渡する場合(自己株式の譲渡)、当該株式の譲渡損益の計上を行なわない。
(6)資本金の額が1億円以下の中小法人に係る次の制度については、資本金の額が5億円以上の法人の100%グループ内の法人には適用しない。
- 軽減税率
- 特定同族会社の特別税率の不適用
- 貸倒引当金の法定繰入率
- 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
- 欠損金の繰戻しによる還付制度

役員給与とは、法人がその役員に対して支給する給与(経済的利益を含む)をいい、1.報酬、賞与に相当する通常の給与と、2.退職給与の2つがあります。役員給与はすべてが損金の額に算入されるとは限らず、また使用人に対する給与とも税務上の取り扱いが異なります。

法人税法上、これらの役員給与の損金の額に算入される範囲等については、以下のとおりです。
1. 報酬、賞与
役員に対する報酬、賞与については、次の(1)から(3)に掲げる給与のいずれかに該当しないものの額は法人の所得金額の計算上、損金の額に算入しないこととされます。
(1)定期同額給与
その支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与、およびこれに準ずるもの。
(2)事前確定届出給与
その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、一定の期限までに所轄の税務署長に対して一定の届出をしているもの。
(3)利益連動給与
利益に関する指標を基礎として算定される一定の給与で、同族会社に該当しない法人が業務を執行する役員に対して支給するもの。
2. 退職給与
役員の退職に基因して支給される給与については原則として損金算入することができます。退職給与の損金算入時期時期は、株主総会の決議等により、その額が具体的に確定した日の属する事業年度とされます。

3.留意事項
退職給与を含め役員給与のうち、不相当に高額な部分の金額や、事実の隠ぺい・仮装経理に基づき役員に支給された金額については損金不算入とされます。
法人税法上の役員の範囲は会社法上の概念より広く、取締役、監査役、会計参与等の他、法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している一定の者も含まれます。

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