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セミナーに参加しました

先週と今週、相続税と消費税に関する実務セミナーに参加しました。

内容はいずれも実務上の留意点のおさらいと、平成23年度税制改正案の内容の説明でした。

実務上の留意点については、基本的な項目の復習ができて、さらには今まで実務ではあまり関与してこなかった項目も勉強できて、非常に有意義な内容でした。

平成23年度税制改正案の内容については、まだ法案が通っておりませんが、相続税や消費税の改正項目は基本的に増税となる改正なので、法案が通ると今後の実務への影響が大きいものと考えられます。

相続税の改正の主なものとして、基礎控除の4割カットがありますが、これが実現すると、今まで相続税の納税義務者とならなかった人が納税義務者となってしまうケースが出てきます。今まで相続税の対策をまったく行っていなかった方も、今後は事前の対策が必要になってくると思います。

消費税の改正の主なものとして、95%ルールの撤廃があります。今までは課税売上割合が95%以上の場合には、仕入税額控除が全額可能だったものが、改正後は、課税売上高が5億円超の場合、全額控除ではなく、課税売上割合に対応する仕入税額控除を行うことになるため、消費税の負担が増加することになります。個別対応方式による仕入税額控除を適用する場合には、今までの課税売上割合が95%未満である場合と同様に、課税仕入の用途区分を的確に行う必要があり、事務負担の増加が考えられます。

改正案では課税期間の課税売上高が5億円以下の場合には95%ルールは適用可能ですが、過去の消費税の改正の歴史をみると、小規模事業者の免税制度や簡易課税制度も数回改正が行われてきているので、将来的には5億円より引き下げられる可能性もあるのではないかと思います。

いずれにしても、早めの対策が必要だと感じました。