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海外子会社に出張等する日本企業の居住者役員の二重課税につき外国税額控除の適用余地が拡充(平成23年度税制改正)

平成23年度改正法(「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」)の成立に伴い、改正施行令・施行規則・告示等も公布され、このうち改正施行令では、条約締結国での源泉地課税に伴う外国税額控除に関連し、「所得源泉みなし規定」が導入されました。

これにより、日本企業の居住者役員が海外子会社に出張等するケースで、今後は外国税額控除の適用余地が拡充されることになります。

このケースでは、海外子会社の所在地国と日本の両国において給与所得の二重課税が生じた際に、この居住者役員の海外勤務に起因する対価は、国内法上はこれまで”国内源泉所得”とされていたため、外国税額控除限度枠が発生せず、その適用が受けることができませんでした。

今回の改正により、アメリカやイギリスとの租税条約に導入されている「所得源泉みなし規定」が国内法上整備され、これらの国以外の条約締結国との間での二重課税を排除することが可能になるものと考えられます。